2009年10月29日木曜日

第5回「本当に放っといておけばいいの?」

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うみほどコラムも5回目になりました。これからもよろしくお願いします。

そして本家のなるほどコラムは読まれましたか?

そちらも是非読んでみて下さいね~。



というわけで今回のテーマに移りたいと思います。

さてさて不登校の子どもの対応に困って相談したり、本を呼んだり、ネットで調べたりして

「放っといてあげましょう。」

みたいな事を聞いたり、読んだりしたことはありませんか?

確かに私もよく、本人に任せましょう。とか

考える時間なので、ゆっくりまちましょう。とか

傷を治すのには、時間がかかりますよ。とか

そのようなニュアンスを含んだ言葉を言うことがよくあります。




しかーし。





この「放っといてあげましょう。」では間違いです。

これでは子どもは良い状態に持って行くことは難しいところがあります。

では放っておいちゃいけないの?ってことになりそうですが、そうでもないです。

この言葉の前に、ある言葉を付け加えることで正しい姿になるのです。

それは


「子どもが肯定感を感じられる空間で、放っておいてあげましょう。」

ということです。

いつになったら学校に行くの?(現状の否定)とか

今はいいけど将来は学校にいってね。(限定的な肯定=現状の否定)とか

学校に行かなくてもいいけど、フリースペース行ってね。(肯定の代替案=現状の否定)とか

子ども自身を、親が受け止めていない状況で、放っておいても何の効果も生まれません。

むしろこのような子どもを否定的に捕らえている時期では

肉体的にも、精神的にも、回復は望めません。


放っておくと、子供が放っておかれたと感じませんか?なんて事を聞かれますが

子どもを受け止め、いつでも相談(会話)ができる関係であれば

放っておかれたなんて事は思わないものです。(自分の場合ですが・・・。)

「放っておいてあげましょう。」だけ鵜呑みにして

子どもの状態を受け入れないままの否定的な空間で

そのまま放っておけば、子どもは「自分のことは興味がない。」とか「見放された。」とか

思ってしまうのでしょう。



そして子どもの回復とは、回復できると子どもが感じた時から、子どもは回復を始めます。

その子によって期間は短くていい子もいれば、期間が長くかかる子もいます。

今まで放っておいたけど、なんでいつまで経ってもよくならないの?

という方はこのような要因があったかもしれません。

子どもが回復できる空間を、用意するのは残念ながら大人にしか出来ません。

そして

居心地の良い家はダメ。なんてことは絶対ないです。

子どもが安心して休める空間を、確保してあげてください。

そうすれば、今まで話してくれなかった不安な気持ちや、自分がどうしたいかなど

子どものほうから語りかけてくるようになるかもしれません。